DPR LIVE 『Is Anybody Out There』
*リリースしてすぐnoteにあげた記事をこちらに移行しました
DPR LIVEが1st フルアルバムをリリースした。
1stフルアルバム、めでたいことなのだけど何より、""およそ2年ぶりに新作が出た""ことがすごい嬉しい。
DPR LIVEとは誰なのか。韓国のラッパーです。DPR(Dream Perfect Regime)というクリエイティブ集団のラッパーLIVE、という感じ。詳しく知りたい人は上のリンクどうぞ。
この最新アルバムがめちゃくちゃツボで、感想をどこかに吐き出したくなりこの記事を書くことに。
ということで本題。
私はアルバムを「アルバム」として聴くことはあまりせず、好きな曲だけ聴いたりシャッフルして聴くのだけど、これは1曲目から最後の11曲目を通して聴いたときのワクワク感が本当に楽しかった!
新しい世界へ手を引いて連れて行ってくれるような感覚。
1曲目の『Here Goes Nothing』から次の『Geronimo!』までこの「Geronimo(ジェロニモ)」が何度もワードとして出てくる。これは対白人抵抗戦に身を投じたアメリカンインディアンの兵士の名前らしい。
この2曲はこのアルバムの始まりで、最初は歌ってるというより声をあげている、叫んでいる、そんな雰囲気で始まるんだけどGeronimo!では結構ちゃんと歌っている。そしてこの曲の中盤からテンポ(BPM?)が上がるところがある。ここは3曲目への助走。もうこの時点でかなり楽しい。2作目とは全く異なる新しいDPRへの助走。
そしてGeronimo!の最後にシグニチャーサウンドの「Coming to you LIVE」が入って無音になり、建物が崩れていく音がするという……。
完全にDPR第2章の始まりなんだよな。
3曲目のTo Whoeverは「Wake up.(起きて)」という囁きから始まり、「これは夢なのか?」と語りが始まる。国籍は韓国だけれど18歳位まで殆どグアムで過ごした彼のかなりパーソナルな話。そのあとまたシグニチャーサウンドが入りDPR LIVEの過去の名曲が走馬灯のように流れる。そう、これは走馬灯で彼の過去についての曲。
3曲目までは流れるように曲が進んでいくのだけど、カチッと4曲目の『Out of Control』に切り替わる。本編、つまりDPR LIVE第2章の始まり。
ここまでが物語のようで本当に楽しい。2年待った甲斐があった……………。
以前(2作目)はR&B中心だったけど、今回はヒップホップやアンビエントなど、よりジャンルレスになった気がする。
また、前回は"君"がいたのだけど新作はより"自分"に焦点を当てている。
このアルバムのリード曲である『Legacy』はMVが公開されている。ヒップホップ色が強い曲。宇宙飛行士に扮したDPR LIVEが宇宙で遭難するみたいなストーリーで、自分に焦点を当てた歌詞が多いから、これもそういう暗示な気がして来る。そしてとにかく映像が壮大かつ美しい。これもDPRというクルーの一員が監督をしている。なんなんDPR。
ラストを飾る曲のタイトルは『No Rescue Needed』。アンビエントR&Bっぽくて好きなのだけど、この流れでこのタイトル、きっと自分の向かうべき道が見えたのだろうか…と思いを巡らせることができる。また新しい、次のDPR LIVEへの道…
なんだがとても中2っぽい文章になってしまったけれど、とにかくストーリーがしっかりしていて興奮した、という話。
韓国のトレンドはとにかく移り変わるスピードが異常にはやい。このスピード感の中でも置いてかれることなくいいものを世に出すってめちゃくちゃ難しい。けどそれをスマートにやってのけるDPR LIVEをこれからもゆるっと追っていきたい。
フェスに出ても同じセトリが多かったけど(リリースしないので)、このタイミングで変わるかな?見に行きたい。コロナ落ち着け。